デザイン
2025.12.22
化粧品容器デザインでよくある失敗例と注意点

化粧品容器のデザインは、見た目の印象が問題なさそうでも、実際に容器へ印刷すると、
「修正が必要になる」「イメージと違う」
といったトラブルが起こることも少なくありません。
入稿前に知っておきたい注意点を、初心者向けに分かりやすく解説します。
①複数色印刷による印刷ズレ

シルク印刷で複数色を使ったデザインの場合、
印刷の特性上、色ごとにわずかな印刷ズレが発生することがあります。
このズレにより、次のような問題が起こることがあります。
- 色と色の境目がずれる
- 線が重なって見える
- イメージと違う仕上がりになる
印刷ズレを防ぐためには、
異なる色同士が重ならないよう、約3mm程度の間隔をあけたデザインにするのが基本です。
また、印刷には公差(許容範囲)があり、目安は以下の通りです。
- 上下方向:±1mm
- 左右方向:±1.5mm
デザイン作成の際は、ズレが出ても違和感の少ない見た目を意識することが重要です。
②JANコードを横向きに配置してしまう

JANコードを、ボトルに対して横向きに配置してしまうケースは、目にすることが多いです。
容器には曲線があるため、形状によってはJANコードが歪んで見え、読み取りにくくなることがあります。
また、印刷色とボトル色の組み合わせによっては、コントラストが弱くなり、バーコードリーダーで読み取れない場合もあります。
そのため、状況によってはJANコードの下にベタ色を敷くなどの調整が必要です。
JANコードを印刷する際は、「配置方向」と「背景色」まで含めて検討しましょう。
③ プラマークのサイズが小さすぎる
プラマークは、資源有効利用促進法により、
最小サイズが縦横6mm以上と定められています。
デザインスペースの都合でプラマークを小さくしてしまうことがありますが、
6mm未満のサイズは修正が必要になります。
後の工程での修正を防ぐためにも、早い段階でサイズを確認しておきましょう。
④ 印刷の線が細すぎる
スタイリッシュなデザインを目指すと、細い線や細い文字を使いたくなることがあります。
しかし、化粧品容器印刷には、推奨される線幅があります。
推奨線幅の目安(シルクスクリーン印刷の場合)
- ノセ(線・文字を印刷する場合):0.08mm以上
- 抜き(背景色を残して線を抜く場合):0.15mm以上
ノセの場合は、インクが版から安定して転写される必要があるため、
線が細すぎると、線切れ・かすれ・文字の潰れが起こりやすくなります。
特に、ロゴマークの端にあるRマークや、細い書体の文字は注意が必要です。
画面上では問題なく見えていても、実際の印刷では、
「思ったより細く見える」「文字が読みにくい」と感じられることがあります。
詳しくはこちら→
容器印刷の推奨線幅とは?
まとめ|失敗を防ぐには「印刷後」を想定することが大切
化粧品容器のデザインでは、
見た目だけでなく、印刷や表示ルールまで考慮することが重要です。
- JANコードは読み取りやすさを意識する
- 印刷ズレを考慮したデザインにする
- 表示マークのサイズルールを守る
- 線幅は印刷に適した太さを確保する
入稿前にこれらのポイントを確認することで、
修正やトラブルを防ぎ、イメージ通りの仕上がりに近づけることができます。
入稿作成ガイドはこちら
【✒スタッフのあとがき✒】
お疲れ様です。デザイン管理の原です。
日々入稿データをチェックしていて、「あるある~!」な注意点をまとめてみました◎
宮本では、お客様が入稿されたデザインは、一つひとつチェックしています。
何かデザインで気になる点があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!
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